家づくり工房の住まいはオリジナルの木パネルと柱、梁を見せる真壁つくりで構成。自然素材のよさをデザイン化する中で高断熱・高気密など省エネ手法との両立を図ります。外壁も大量生産のサイデイング外装材などではなく、杉板やガルバニューム鋼板などで表現することが多く、住まいごとのデザインを心がけています。内部でも床材や壁材など近郊の木、紙、土などをデザインで活かし、キッチンセット、洗面台、浴室、建具なども規格品は使わず、色彩や質感を活かしながらオリジナルデザインでつくっています。
自然素材を使用した住宅のメリットは、室内の空気を快適に保つことだけではありません。天然木の無垢材、漆喰(しっくい)や珪藻土(けいそうど)などの自然素材からつくられるナチュラルな色彩や質感、風合いは、心地良い室内の雰囲気をつくります。「家づくり工房 合同会社」では、自然素材の優れたデザイン性を住空間の居心地の良さに活かすことを心がけています。
無垢材をはじめ、日本で伝統的に使われてきた和紙や漆喰、珪藻土などの壁材は吸湿性や放湿性などの調湿性に加え、人や地球にやさしいさまざまな効果があります。また、自然素材は年月が経つほどに風合いが増し、家への愛着を感じるようになることはよく知られています。
家づくり工房の家づくりは、住まい手中心の住宅を考える建築です。ハウスメーカーの様にマニュアルやカタログ化できるものではありません。あくまで住む方の関心レベルや、価値観、健康状態などを考慮し、一軒一軒住宅を設計していくイメージです。住宅設備メーカーの化学製品による既製品の使用に偏らず、自然素材を使ってオリジナルデザインでキッチンセットや洗面台、浴室などを取り入れています。
バウビオロギーの住まいでは自然の素材を多用します。自然素材の素晴らしさは人の手で新たに作られたものでない、本物の素材であることです。自然素材を使う快適さとは、「意識されない快適さ」。例えば木材と視覚刺激の関係をみる実験が報告されています。
ヒノキの節有りの壁と普通の白色の壁の部屋にそれぞれの意匠が好きな人と嫌いな人が一定時間座ってその反応を見たところ、好きな人は両方ともに血圧も低下して落ち着いた状態になります。逆にそれぞれ嫌いな人が座った場合、白い壁の前に座った人は血圧が上昇してストレス状態になりますが、ヒノキの節有り壁の前に座った人は、その壁が嫌いなのにもかかわらず血圧も脈拍数は上昇しませんでした。
つまり、ヒノキの節有りの臭いや視覚では不快だと感じる人でも、身体は不快に感じないということです。これは人間が自然との長い歴史の中で木を受容する生体機能がDNAとして備わっているからだと考えられます。自然素材に対して身体は生理的なストレスを感じないのです。