家づくりの進め方

健康住宅

①身体②衣類③住まい④地球 人間は4層の皮膚に守られている

①身体②衣類③住まい④地球
人間は4層の皮膚に守られている

「人間の暮らしは四層の皮膚で形成されている」というのが、自然素材を使った省エネ健康注文住宅の考えです。第一の皮膚は身体、第二の皮膚は衣類、その延長上の第三の皮膚が住まいで、さらにその外に、街や地球や空気までも含む第四の皮膚としています。
自然素材を使った省エネ健康注文住宅の考えは、人間の身体から街や地球全体まで広範囲の環境を扱っており、食品、衣服と同様に建築も健康な生活の大切な一部であると位置づけています。

健康に配慮した建築

自然素材を使った省エネ健康注文住宅は、住まい手の第三の皮膚として機能を果たせるよう、健康な身体をつくるために安心で安全な食品を選ぶように、自然素材の建材を中心に選んで使用します。自然素材を使った省エネ健康注文住宅は、単に自然素材の健康的な家づくりではなく、「有機的な家づくり」を目指します。人間の身体がそうであるように、住宅も床、壁、天井、窓などが互いに関係性を持つ、ひとつの有機体であるという考えです。
住宅内部の素材と素材の関係、内部と外部の関係、建物の特性など全体的な視点で、住宅内部だけなく、敷地の地質条件や磁場など屋外の地域環境との調和も視野に入れた家づくりを考えます。そういう意味では、日本の古い民家には、自然素材を使った省エネ健康注文住宅にとって模範となる知恵が詰まっていると言えます。

5つの分類と25の指針

自然素材を使った省エネ健康注文住宅をつくり続けている上で、私たち家造り工房が大切にしている「25の指針」があります。
25の指針は「敷地の判別」「建材の選択」「室内環境の整備」「外観・室内の空間デザイン」「地球環境と省エネルギー」の5つに分類できます。

◆敷地の判別

1.自然や人工的な障害のない建設敷地を
2.工業地帯の中心や幹線道路から住居地をはなす
3.緩やかに分散した建築の風景、緑あふれるジードルンク(集合住居)
4.自然とむきあう、個性的で人間的な住環境とは
5.社会に負荷を与えない

◆建材の選択

6.自然素材を適材適所に周壁面は呼吸できるように
7.心地よい室内の匂い、有毒ガスを放出しないこと
8.高い放射能を示さない建材を用いる
9.遮音、振動の検討

◆室内環境の整備

10.室内の湿気を、吸放湿性のある建材によって調節する
11.新築物件の湿気と建材の乾燥
12.断熱、蓄熱のバランスを
13.室内空気温度と周壁面温度のバランスを
14.自然換気による良好な空気質を
15.放射熱による暖房を
16.自然の放射領域を変化させない
17.電磁場・高周波を広げない
18.カビ・バクテリア・塵埃・アレルゲンの発生軽減を

◆外観・室内の空間デザイン

19.調和的な尺度、プロポーション、フォルム
20.色彩、照明、自然採光のバランスを
21.空間造形のための生理学的・人間工学的認識

◆地球環境と省エネルギー

22.再生可能なエネルギー源を用いてエネルギー消費を軽減すること
23.地場の建材を優先し、限りある資源、貴重な資源の乱開発に歯止めを
24.環境問題へ導かないこと
25.飲料水の確保に最善をつくす

これから健康住宅を設計するときの留意点

近年は新築やリフォームの際、「エコ住宅」や「健康住宅」というワードがブームになっており、2003年7月、建築基準法の改正により、シックハウス対策が義務づけられています。自然素材を使った省エネ健康注文住宅の指針の中でも、室内の空気の質は重要なポイントです。 大人が1日に呼吸する空気の量は15kg~20kgであり、食べ物や水よりも多く、健康への影響度がもっとも高いと言えます。合板の日本農林規格でホルムアルデヒド放散量を表示するマークがあり、F☆からF☆☆☆☆までランクがあります。F☆☆☆☆がもっとも放散量が少ないのですが、ゼロではありません。 また、建材や家具に使用されている化学物質は、ホルムアルデヒドの他に10種類以上あり、特にVOC(揮発性有機物)は多くの住宅で塗料、接着剤、下地処理剤などで使用されています。アレルギー過敏症の方の住宅にはこうした化学物質が含まれたいわゆる新建材は使えないので、できるだけ無垢の天然素材を使用し、空気の質を高めることが重要です。また、エコ住宅とされているオール電化住宅には電磁波問題の懸念があります。人間が一番無防備な状態であり新陳代謝機能が下がる就寝時を意識し、寝室などでコンセントや照明器具など電気設備に注意した配置は健康注文住宅先進国ドイツでは常識です。

環境先進国ドイツ発祥のバウビオロギーから学ぶ

健康で快適な居心地のよい住まいづくりのためには何が大切なのでしょう。私たちは2011年の福島原発事故以来、従来の経済性、合理性、省エネ性だけを追求した家づくりを見直すべきだと考えています。
バウビオロギー(Baubiologie)とはドイツ語で、建築(Bau)+生命(Bio)+論理(Logos)からなる造語であり、健康や環境に配慮した住まいづくりを目指すうえで重要となる考え方です。日本語では建築生物学・生態学と訳されます。「健康」で「省エネ」で「よく造形」された建物はバウビオロギー建築と呼べます。住まい手を輪の中心に置いて作り手とともに家づくりに取り組む姿勢を持ち、人の身体と心の健康、地球環境の維持を目指すバウビオロギーの思想はこれからの家づくりに欠かせません。その考え方の根底にあるのが、「バウビオロギー25の指針」で、私たち「家づくり工房」が最も大切にしている指針でもあります。